6ヶ月で20kg痩せてリバウンド知らず。その方法

気にしなくていいカロリー、気にしたい食べ物

カロリーはあてにならない!?

 色々なダイエット本を読んでよく目にするのが「消費カロリーよりも摂取カロリーが多ければ太る」というもっともらしい言葉。で、それを信じてせっせとジムに行く、カロリーを指標に食べ物をダイエット向きなものに変えるなどを繰り返しては、長続きしない&デブ長続きという悪循環におちいってませんか?というか、おちいってました。昔の私こと友人屋。

 ひたすら汗をかくこと、夜ごはんに低カロリーのこんにゃくゼリーやフルーツを食べることをダイエットだと本気で思ってました。イメージや感覚でダイエットするのは、時間とお金の無駄になると、昔の自分に言ってやりたいです。当時、カロリーメイトは太らない…という謎理論を信じていたし。

 ダイエットとなるとほぼ「摂取カロリー」と「消費カロリー」がセットになって語られます。食べた分のカロリーを、運動して消費しなさい、と。消費しきれなかったカロリーが脂肪として蓄積され、肥満の原因になりますよ、なんて。

 ごもっとものようで、疑いの余地もなさそうですが、そのカロリーは、存在しない!なんて声もあるのもご存知ですか。

 教えてくれたのは、この本。栄養科学博士オーガスト・ハーゲスハイマー著「最少の努力でやせる 食事の科学」。

この中で

カロリーという概念は、もともとは石炭の品質をあらわすための尺度でした。蒸気機関車が全盛だった頃、石炭を燃やしてどれくらい熱が出るかを測るためにつくられたのが「カロリーメーター(熱量計)」という機械でした。(中略)石炭の代わりに食材を「カロリーメーター」に入れて、燃やしてみる。そしてどれくらい熱が出るかを測ったものが、いま私たちが使っているカロリーです。

 これは人間は体の中で食べ物を燃やしてエネルギーにしているのだから、食材も燃やせばどれぐらいの熱量があるかの目安になるだろうなんていう安易な発想からきているもののようで、大学の栄養学部や企業の研究室には「カロリーメーター」が鎮座ましましているとのこと。

 そんな情報に踊らされているなんて、ちょっとショックじゃないですか?「カロリーのことは忘れてよい!」とまで断言しています。

高カロリーのステーキとおにぎり2つ。太るのはどっち?

 分かりやすい例として紹介されているのは、サーロインステーキ200g(およそ996kcal)と梅おにぎり2個(1160g/2個分およそ538kcal)、どちらを食べた方が太るか?という例。従来のカロリー論では、太るのは圧倒的にステーキのはずですが、ステーキには糖質がほとんどないのでアミノ酸として分解され吸収されるか、排出されるかのどちらかで体脂肪になることはないとのこと。

 おにぎりの場合はというと、メインの栄養素が炭水化物で必要以上の糖質摂取となるため、血糖値が急激に上がり、インスリンを分泌。このインスリンは余った糖質を中性脂肪として溜め込む役割があるので、結果としてカロリーは低くてもおにぎり2個の方が結果として太るということになります。

 人間が太るのは、体脂肪がつくからですが、その体脂肪の元は体の中で余った糖からつくられるってことを覚えておきましょう。注意すべきは、カロリーより糖質です。

「カロリーは目安。体に効くのは“何をどう食べるか”」

2025時点では、「カロリーはあくまで“熱量”であって、栄養の質を示すものではない」という見解が、医学的にも広がりつつあります。
近年の研究では、同じカロリーでも“何から摂ったか”によって、体内での働きはまったく違うことがわかってきました。

たとえば──

  • 脂質やタンパク質中心の食事は、 血糖値をほとんど上げず、満腹感が長続き
  • 糖質中心の食事は、 血糖値を急上昇させ、インスリン分泌で「脂肪を貯めるスイッチ」がONに

つまり、「低カロリーだけど糖質高め」な食事は、“太りやすく・お腹が空きやすく・ストレスも増える”という三重苦になる可能性があるのです。


糖質の“質とタイミング”を見る

たとえば「おにぎり」をやめるのではなく、

  • レパートリーに玄米を加える/夜は控える
  • 単品で食べない(タンパク質と一緒に)
  • 食物繊維(サラダやきのこ)を先に食べる

といった工夫で、血糖値の急上昇=インスリン大量分泌=脂肪蓄積のルートを避けることができます。


「カロリーを気にする」から「インスリンを意識する」時代に

いま、食事の指標として注目されているのが「インスリン負荷(インスリンインデックス)」という考え方。
「血糖値を上げる食品」だけでなく、「インスリンを強く出させる食品」を避ける、という考え方です。

これは、糖質制限やケトジェニックダイエットとも親和性が高く、ただのカロリー計算よりも実践的かつ、結果が出やすい方法として支持が広がっています。